
Vol.2の刊行に期待。
30代から40代の比較的若い編集者・研究者が、社会問題(若者風俗・都市問題・サブカルチャー・ニート問題など)をディスカッションしているラジオ番組の内容を書籍化したもの。日曜深夜という、通常は放送休止の時間帯に、月一で生放送している。メインパーソナリティに「カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)」の著者を抜擢するという異例のことである。当然スポンサーはなしで、よく続いているものだと思うが、Podcastの評判は上々のようである。
ディスカッション形式の番組の宿命だが、どうしても"お仲間内"の感がある。「下北沢問題」については、"save the 下北沢"とプロ市民とのつながりに触れないなど、突っ込みどころ満載なのも事実である。豊富な脚注も、項目間で分量のバランスが悪すぎる。しかしながら逆に"拾い読み"ができるので、本放送を聴くよりも効率が良いというメリットがある。『文化系書店Life堂』という企画も、書籍ならでは。
リーマン不況や政権交代、twitterの登場など、初版時とは大分社会状況が変わっている。Vol.2の刊行を期待したい。ゲスト出演した本田由紀東大教授(著書に「多元化する「能力」と日本社会 ―ハイパー・メリトクラシー化のなかで 日本の〈現代〉13」など)には再登場いただいて、またブチ切れて欲しいものである。
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